2016年現在、マイクロフォーサーズシステムの広角レンズには、以下の3種類のレンズがラインナップされています。
松レンズ:M.Zuiko 7-14mm F2.8(35mm換算14-28mm)
竹レンズ:Lumix 7-14mm F4(35mm換算14-28mm)
梅レンズ:M.Zuiko 9-18mm F4-5.6(35mm換算18-35mm)
これがSONYやFUJIFILMのAPS-Cレンズの場合は、純正の広角レンズ一択となる訳ですが、ことマイクロフォーサーズはご覧の通り、松竹梅の3種類があるため、ユーザーの嬉しい悩みの種となっている訳です。
詳しい3本のスペック比較は上記サイトを参照下さい。
資金に余裕のあるユーザーは松のZuiko 7-14mm F2.8一択で幸せになれる訳ですが、私の場合、広角レンズの出番自体が少ないため、必然的に竹梅のどちらかを選択したくなります。
今回この2本のレンズの実写画像と併せて比較していきたいと思います。
まず梅レンズである、Zuiko 9-18mmのメリット。
1,収納時のサイズがコンパクト
このレンズはLockスイッチにて繰り出す方式のレンズのため、使用しない時には非常にコンパクトに収納することができます。逆に言えば、使用する都度、繰り出しをする必要があります。また、フードが大きめのため、嵩張ります。
2,フィルターが装着可能
松竹2本は出目金レンズのため、フィルターが装着できませんが、このレンズはフィルターが装着可能です。そのため、PLフィルターなどを使って表現の幅を広げることが可能です。
続いて竹レンズのLumix 7-14mmのメリット。
1,7mm(換算14mm)スタートの超広角
換算14mmは、SONYやFUJIFILMの換算15mmよりも広く、ミラーレスのレンズとしては、最広角のレベルと言えます。
2,開放F値が4のまま変わらない
F値固定は地味に色々な面で役立ちます。
それでは、実際に使用時のレンズの大きさを比較します。
Zuikoレンズは沈胴式のため、約15mmのあたりが最小繰り出しとなります。
こう見ると、あまり双方の長さには大差ないように感じます。
装着時のイメージは、以下の通り。
OLYMPUSの1stシリーズのデザインは個人的に好きでないので、デザインは端正なLumixに軍配が上がります。
続いては実写画像での比較。
カメラ:E-M1
シェーディング補正:OFF
現像:Apple Aperture RAW無補正
焦点距離とF値を合わせて撮影しました。
どちらも9mm/F4での撮影。違いがわかりにくいですが、周辺の光量落ちはLumixの方が大きく見えます。
お次は中間域14mm/F5での比較。
Zuikoの方が周辺部の描写まで緻密に見えますが、歪曲と流れが大きいようです。
お次は9mm/F8での近接。
ここまで絞るとどちらも違いはないように感じます。
次は14mm/F5での最短あたりでの比較。
現像の癖かはわかりませんが、Zuikoの方がコントラストも色温度も高いのが印象的です。
Zuiko=色温度6154K/色合い25
Lumix=色温度5947K/色合い18
同じく14mm/F5での最短あたりでの比較。
先ほどの周辺部の緻密さと裏返しに、アウトフォーカス部のボケの綺麗さでは、Limixに軍配が上がるように感じます。
今度は縦構図。
若干ずれてます(^_^;)
お次は構造物での比較。いずれも9mm/F8。
私は広角レンズでは、建築物を撮ることが多いので、この点が重要になります。
水平しか合っていないので、垂直も併せてもう一度撮影しました。9mm/F8。
この2枚が最もこのレンズの違いを如実に表わしているように感じますが、Zuikoは周辺部でのタル型の歪曲が目立ちますが、Lumixは周辺部までビシっと決まっています。
最後に逆光での比較。9mm/F8です。
Lumixは逆光に弱いとのレビューが散見されますが、Zuikoもフィルター(Zeta UV L41)を装着しているせいか、そこそこのフレアが出てます。
EXIFの元データを確認されたい方は以下からどうぞ。
M.Zuiko9-18 or Lumix7-14?? | Flickr – Photo Sharing!
以上のように、どちらも良いレンズには違いありませんので、結局は使い勝手などが比較対象となるかと感じます。
ポイントとなるのは、
1,重量
155gと300g
2本持ち歩いても松F2.8レンズ534gよりも軽量です(^_^;)
2,フィルター装着の有無
装着可能な方がラフな使い方には合っているでしょう。フィルターが装着できないLumixは万が一キャップが取れないか、心配になります。
3,Lockスイッチ
Lock解除の方は使い込んでいくと、レンズを回すだけで解除できるようになりました(^_^;)
Olympusサービスで確認したところ、解除時のロックが効かないのは元々の仕様のようです。
いずれにしろ、ロックスイッチの操作は少し面倒です。
4,焦点距離
7-9mmを取るか、14-18mmを取るか、この2択がなかなか悩ましいところです。
5,価格
中古だと、Zuikoは4万円台、Lumixは6万円台で手に入るため、差は少ないように感じます。
このように、上記2本の差は非常に少ない訳ですが、周辺部の描写だけを見ると、2万円の価格差はあると考えます。
現在使っている他のレンズとの組み合わせ次第で選択するのが吉と言えます。
コンパクトに安く済ませたい人にはOlympusのボディキャップレンズという手もあります。
F値も8固定ですが、これがなかなかの写りをするレンズです。
Panasonicから新しいレンズも出ましたね。チャンスがあれば試してみたいです。
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