(2016年06月07日に執筆した記事です。下書きのまま眠っていたのを忘れていました。加筆修正して公開します。)
かれこれ一年近くD600を愛用してきた私ですが、最近手に入れたOLYMPUSのE-M1に夢中になってしまい、最近持ち出すのはもっぱらE-M1ばかりになってしまいました。
一般的に35mm版フィルムから続く正統派として、フルサイズセンサーが様々な面で有利と語られることが多い昨今ですが、マイクロフォーサーズ(以下M4/3)の優れている利点もたくさん発見しましたので、列挙したいと思います。
フルサイズとM4/3、それぞれのメリットを活かして写真を楽しみましょう!
1,最短撮影距離が短い
M4/3のセンサーの一番のメリットとして、全てのレンズの最短撮影距離がフルサイズレンズに比べて短い事が挙げられます。
50mmの単焦点レンズを例に上げると、フルサイズ50mmの一般的な最短撮影距離は0.45mが標準的です。
ところがM.Zuiko 25mm F1.8では、0.25mまで寄ることが出来ます。特にマクロレンズとなると、実際の撮像範囲は等倍を超えるところまで寄ることが出来ます。
M.Zuiko DIGITAL 25mm F1.8=0.25m/換算0.24倍
Nikon AF-S Nikkor 50mm F1.8G=0.45m/0.15倍
望遠域では、75-300mmというレンズを各社が出していますが、フルサイズだと寄れてせいぜい1.5m、これがM.Zuiko 75-300mmだと0.9mまで寄ることが出来ます。(M4/3なので35mm換算焦点距離は150-600mmとなります。)
最短撮影距離が短いことで今まで諦めていた近すぎる被写体(テーブルフォトなど)にも気軽に挑戦することができます。
つまりM4/3の最短撮影距離の短さを活かせば、フルサイズに近い大きなボケが作れるということにもなります。
2,被写界深度の深さ
風景やマクロ域では、実質的に絞り込むことが多くなりますが、この点でも元々の被写界深度が深いM4/3が有利となります。
またフルサイズの場合、パンフォーカスを得るために絞りこみ過ぎることが多く、シャッタースピード(SS)が犠牲になることがありますが、M4/3では、フルサイズほど絞らなくとも十分にパンフォーカスができるので、SSを稼ぐことができ、風景や集合写真などにも有利に働きます。
一概に言えませんが、私の場合、フルサイズの開放域のボケが必要なのは、実際のところ中距離でのポートレートなど、非常に限定されたシチュエーションであることが多いのですが、これは賛否が分かれるところでしょう。
3,開放から破綻のない描写
フルサイズのセンサーでオールドレンズを使用していると、その周辺減光や描写の不均一性に悩まされます。それも一つの味として楽しんではいるのですが、M4/3では、オールドレンズを使用したとしても周辺部は切り捨てられるため、撮像される周辺部も極めて優秀な描写をします。
またマイクロフォーサーズの各レンズはデジタルレンズに最適化されたセンサーにより、開放F値から非常に優秀な描写をするため、光量が不足がちとなる、夜のスナップ時などに重宝します。特にボディ内手ぶれ補正のあるボディと組み合わせると鬼に金棒となります。
(現在ではフルサイズ機にもα7IIなど一部ボディ内手ぶれ補正の機種があります。)
4,全てが小型にまとまる
これは当たり前と言えばそれまでですが、1日中スナップで持ち歩くことを考えるとボディの小ささは色々な面で大きなメリットとなります。
α6000(344g)+35mmF1.8(154g)=498g
E-M1(497g)+25mm F1.8(137g)=634g
α7II(599g)+55mmF1.8(281g)=880g
D750(840g)+50mm F1.8(185g)=1025g
残念ながらボディ内手ぶれ補正のないα6000には負けていますが、私のように単焦点を何種類も持ち歩く人間からすると、フォーサーズの豊富なパンケーキレンズ全てでも手ぶれ補正が効くことで、レンズがその分多く持ち運べるのが嬉しい誤算でした。
5,超望遠の世界を手軽に楽しめる
フォーサーズの最も強い点はやはりこの超望遠に強いということでしょう。
フォーサーズでは35mm版換算焦点距離が2倍となります。つまり、75-300mmの望遠レンズはフルサイズの倍の150-600mmの焦点距離となります。
この特性を活かせば、小型のシステムで、超望遠までカバーでき、これをフットワーク良く持ち運べる点は、電車移動がメインの私にとっては大きな利点です。
6,レンズが廉価
これも当たり前と言えばそれまでですが、レンズ沼住人にとっては、レンズが廉価なおかげで、システムを揃えるのが容易な点もこれまた大きなメリットです。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO=約8万円
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8E ED VR=約24万円
レンズの投資が廉価で済めば、その分を別のレンズに投資できますw
7,ライブビューが使いやすく、アングルの制約に縛られない
一眼レフでは、OVFの応答性が高いため、AFが鈍いライブビューを使うことはほとんどありませんが、ミラーレス機であるフォーサーズでは、EVFもライブビューも併用して使えるため、撮影の自由度が上がります。特にライブビュー液晶はチルトで角度を変化させられますので、アングルの制約に縛られないことで新しい視点からの撮影が可能となります。
ただEVFの応答性にはまだ改善の余地があるため、本当に速射が必要な時(動きものなど)にはOVF機の方が有利となります。また電池の持続時間などはOVF機の方が圧倒的に有利で、予備電池が欠かせないのはミラーレス機のデメリットと言えます。
8,画像データサイズがフルサイズのおよそ半分で済む
私のようにRAWを多用し、多くシャッターを切る人間にとって、これも大きなメリットです。おおよそフルサイズのデータが25MB前後となるのに対して、M4/3では15MBほどで済むので、長期的に見るとデータサイズが小さく済むのは大きいです。
以上、今までは小サイズセンサーだからと目にもくれていなかったマイクロフォーサーズですが、いざ使ってみると、様々な点でフルサイズにないメリットを見つけることができました。
これらのマイクロフォーサーズのメリットを活かすことで、起動力が必要とされるスナップ撮影では大きな武器になることがわかりました。
個人的にはフルサイズのサブ機としては、APS-Cよりも、マイクロフォーサーズの方がキャラクターが大きく違うため、より明確に使い分けができるように感じています
写真を続けていくうえで何よりも重要なのは、「常に撮影のチャンスを逃さないこと」です。
その点マイクロフォーサーズは常にカバンに入れていても苦にならない小型サイズのカメラが多数ラインナップされていますので、この条件に最も相応しいマウントだと考えています。
2018/05/16追記
今のお気に入りの組み合わせはGM5 + 14-42mm PZです。
レンズ側の手ぶれ補正が効くため、旅行などでのスナップに活躍します。
ご覧の通り、バイクの前ポケットに入る大きさだったので、ベトナムの旅でも大活躍しました。
ちなみにハンドストラップは以下のものを使用しています。
長さも長すぎず、値段もとても安くて気に入っています。
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