レンズ沼の住人になると、「○○のレンズは回転方向が逆だからなあ」などという呟きを良く聞くことがあります。
私としては、どちらの回転方向でもちゃんと動きさえすれば問題ないのですが、各社のレンズの回転方向を調べると、なかなか興味深いことがわかりましたので、まとめてみました。
※回転方向は各レンズによって一部例外もあります。
レンズの回転方式
1,Canonグループ
一眼レフ業界では、最も大きなシェアを握っているCanon。
これに追随するメーカーが多いのかと思いきや、以外にもOLYMPUSのみという結果になりました。
Canonがこの回転方向にしたのは、当時のLeitz(現Leica)の回転方向と合わせたと言われています。
また、OLYMPUSでOM-1の開発に携わった米谷美久氏は、Leicaのファンであったことから、この回転方向に合わせたと考えられます。
意外にもズーム方向だけで言えば、このCanonグループは少数派です。
2,Nikonグループ
このグループではPENTAXのみが同じ回転方向でした。
Nikonも当時のCONTAXの回転方向に合わせたと言われています。
しかしながら近年のCONTAXに関しては、NマウントとGマウントに関しては、前出の1グループと同じ回転方向、Yashica/CONTAXマウントは後出の3グループと同じ回転方向でした。
NikonはFマウント発表当時から一貫して同じ回転方向ですので、そういう意味ではユーザーの使用感を大切にしていると言えます。
3,Minoltaグループ
最もマイナーと思われたMinoltaグループ(現SONY)ですが、意外にもPanasonic、FUJIFILMと多くの国内メーカーが同じ方向を採用していることがわかりました。
奇しくもMinoltaが合併先に選んだKonica AR、現行のLeica M、果てはKyocera AFマウントも同じ回転方向でした。
また、近日発表されたSONY G Masterシリーズのレンズには絞りリングが実装されていますが、今までのMinolta方式の右回転から、左回転へと変更になっている点がMinoltaファンとしては残念です。
4,レンズメーカー
レンズ専業メーカーである、SIGMAやTAMRON、Tokinaは発売するマウントに合わせて、回転方向を変更していたり、していなかったりと状況によるため、一部データなしとしました。(ただしSIGMAの多くのレンズは3グループの回転方向でした。)
聞いた話では、回転方向を変えて製造すると、それだけ設計の手間とコストが上がるので、メーカーとしてはあまり喜ばしいことではないようです。
ただしZeissやVoigtlanderのレンズを製造しているCOSINAはそれぞれ、純正の回転方向に併せて製造していました。
このあたりに各レンズ専業メーカーの苦労が垣間見えます。
手ぶれ補正の方式
おまけとして、各社の手ぶれ補正の方式と、その名称を表内部に組み込みました。
各メーカーによって、微妙に呼称を変えている点がなかなか興味深いところです。
名前はバラバラですが、手ぶれを補正するという観点では、全て同じ意味となりますので、レンズ選びの際の参考になれば幸いです。
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